職員は熱中症を頻発!?火葬炉は1500℃超えるのか?火葬炉の温度について

現役の火葬場職員火葬ディレクターです。
火葬は、故人の遺体を炎によって大いなるの世界へ送る重要なプロセスです。しかし、その背後にある火葬炉の温度、労働環境の対策ついては、一般的にあまり知られていません。

本記事では、火葬炉の温度や火葬におけるバーナーの意義を詳しく解説し、適切な温度で火葬が行われることが故人への敬意や尊厳の維持にどのように関わっているかを明らかにします。また、火葬炉の炉裏の環境についても触れ、職員の労働環境についても説明し、火葬が現代社会において持つ役割を考察していきます。

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火葬は五つの段階を経ていきます

お柩が燃え第一段階では約800℃になります

火葬は五つの段階を経ていきますのイメージ画像
火葬は五つの段階を経ていきますのイメージ画像

火葬炉のバーナーは着火されますとご遺体が入ったお柩がまず燃えていきます。お棺も値段に応じてさまざまな種類があります。一番燃えにくい(燃焼時間がかかる)のがヒノキやモミの木など天然木材を使用した天然木棺(もっかん)になります。

お柩自体の火葬が終わると皆さんが納棺して下さった副葬品やお別れ花が燃えていきます。この時に大量のドライアイスや衣服、分厚い本など副葬品が納まっていると使用燃料も多く消費されることになります。更に火葬時間が延長されて、収骨開始までの時間が長くなりますので必要とされないお品はできるだけ取り除くようお願い致します。

火葬が始まり第二段階では約1,000℃になります

副葬品やお別れ花の燃焼が終わり、ご遺体の火葬が開始します。ここまで約10分程度の時間がかかります。火葬炉によって仕組みや燃焼バーナー位置や燃料の熱量が異なります。一般的にロストル式は火葬時間が短く骨が細かくなりやすく、多くに採用されている台車式は火葬時間はロストル式より時間が掛かりますが、比較的骨格標本に近い形で火葬が終了します。燃焼バーナーは頭頂部に設置している火葬炉が多く、新しい火葬場によっては火葬時間を短くするために腰の付近にサブバーナー付属したり、風が送れるようになってます。

ご遺体によって第三段階では約1,500℃になります

頭頂部から火葬場始まり、顔、鎖骨、肩甲骨、肩、胸部、腹部と順番に進んでいきます。この段階でご遺体の性別、年齢、骨格、体形など様々要因で絡んで火葬が進んで行きます。この部分は現役火葬場職員の腕のみせところでもありますが、火葬の状態を文章で一括りすることが大変難しいです。一般的に男性より女性、やせ型より小太り、高齢より低年齢の方は燃焼の温度が上がりやすくなります。上記の場合、火葬時に発生する煙も黒くなりやすくなりますので、燃料や空気の供給量を調整したりして火葬炉の限界を超えないように近隣への環境に悪影響を与えないように運転を行います。あまりにも高温度になるとお遺骨もバラバラになってしまいますので細心の注意を払います。

火葬の終了が近づき第四段階では約600℃になります

火葬が開始して約45分を過ぎてくると仙骨や尾てい骨付近を残して大部分のご遺体が骨へを変化していきます。頭頂部のみ燃焼バーナー設置の火葬炉になるとご遺体によってはおみ足の部分の火葬が終わりにくくなりますのでデレッキ(オランダ語で棒)を使用し、少し手前でご遺体を移動します。現役火葬場職員の火葬ディレクターはデレッキの操作を死者への冒涜と考えていますので極力使用しないように後輩職員への教育も行っています。最新の火葬炉の場合はほとんどデレッキ操作を行われず、自動的もしくは調整を行い難燃部火葬します。

冷却が行われ第五段階では約200℃になります

難燃部の燃焼が終了し火葬の終わりに近づきます。この時火葬場職員は火葬の終了を目視で確認をし、燃え残りがないかを確認をしスイッチを切り替えます。この段階で主燃バーナー及びサブバーナーが停止し、冷却が始まります。冷却は送風機も用いて空気を強制的する排出する方法で火葬炉台車を含めた炉前室全体を冷やして、収骨の準備へ移行します。

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火葬場の炉裏の環境は?

ファン付き作業着の着用やスポーツドリンク飲用

火葬場の炉裏作業は、温度管理が難しい環境で行われているため、冷暖房が効かないことが一般的です。近年、外気温が高くなる傾向にあり、熱中症のリスクが増えています。そのため、作業者の安全確保の観点から、冷却ファン付きの作業着を着用することが主流になっています。

また、体温が上昇し、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能が働かなくなることで生命に危険が及ぶことを防ぐために、スポーツドリンクの提供が行われる火葬場も存在しています。

火葬場で働く職人さんたちの経験によれば、冬は寒く、夏は暑く、火葬場の作業環境は厳しいと言われています。それでも彼らは、故人に対する敬意と最後のお別れを大切にしながら、そのような環境で日々仕事に励んでいます。

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