赤ちゃん(胎児)の火葬と収骨について、現役火葬場職員がお伝えします。
はじめに
こんにちは。現役火葬場職員の火葬ディレクター™です。
私は日々、多くのご家族のお見送りに立ち会っています。
その中でも、流産や死産によって小さな命を見送る火葬は、私たち火葬場職員にとって最も神経を使う火葬の一つです。
ご家族にとっては、お子さまとの最後の時間となります。
そのかけがえのない時間だからこそ、私たちは「できる限りお骨を残してお返ししたい」という思いで、1件1件の火葬に向き合っています。
今回は、一般の方にはあまり知られていない「赤ちゃん(胎児)の火葬と収骨」について、現役火葬場職員の立場からお伝えします。
赤ちゃんの火葬は、大人の火葬とは大きく異なります
現在、日本の多くの火葬場は、大人の火葬を前提として設計されています。
火葬炉の構造や火葬台車、バーナー、送風設備などは、成人の身体に合わせて造られています。
(もしかしたら、火葬場によっては胎児に対応する火葬場や汚物炉に近い火葬炉システムがあるかもしれません。)
そのため、小さな胎児や赤ちゃんを火葬する場合には、大人と同じようにはいきません。
身体が非常に小さく、お骨もまだ十分に成長していないため、火葬の進み方は成人とは大きく異なります。
私たち火葬場職員は、一つひとつの状況を見極めながら、細心の注意を払って対応しています。
火葬場職員の技術の真価が問われる瞬間
個人情報や企業情報があるので、火葬の様子をそのままお見せすることはできません。赤ちゃんの火葬では、職員の経験や技術が特に求められます。
「少しでもお骨を残し、ご家族へお返ししたい。」
その思いは、多くの火葬場職員に共通しています。
火葬炉の状態や季節、赤ちゃんの身長や体重など、さまざまな条件を考慮しながら対応するため、毎回同じ火葬はありません。
だからこそ、私たちは一件ごとに最善を尽くしています。
これは単なる火葬という作業ではなく、小さな命をお預かりする責任だと考えています。
小さなお骨だからこそ、収骨にも配慮があります
火葬後の収骨も、大人と同じ方法では行えないことがあります。
大人であれば、ご家族同士で二人一組となり、「あいばし」でお骨を拾っていただくことが一般的です。
しかし、胎児や赤ちゃんのお骨は非常に小さく繊細です。
そのため、私が勤務する火葬場では、ご家族には一本のお箸で足元のお骨から順番に拾っていただいています。
その後、残った小さなお骨については、火葬場職員が責任を持って気持ちを込めて骨壺へ納めています。
火葬場によって収骨方法は異なりますが、どの施設でもご家族の気持ちを第一に考えながら対応していることに変わりはありません。
大人も赤ちゃんも命の重さは変わりません
私はこれまで多くの火葬に携わっています。
高齢の方もいれば、若い方もいます。
そして、生まれる前に旅立った小さな命とも向き合ってきました。
命の長さは違っても、その尊さに違いはありません。
だからこそ、私たちは大人だから丁寧にする、赤ちゃんだから簡単に済ませるという考えは決して持ちません。
むしろ、小さな命だからこそ、より慎重に、より丁寧に対応することを心掛けています。
ご家族に知っていただきたいこと
流産や死産は、ご家族にとって言葉では表せないほど深い悲しみです。
火葬場へ来られるご家族は、不安や緊張の中で最後のお別れを迎えられます。
そのような中で、「ちゃんとお骨は残るのでしょうか」「収骨はできるのでしょうか」と心配される方も少なくありません。
火葬場によっては事前に粉しか残らないと言われる場合はもあるかと思います。
すべてのケースで十分なお骨をお返しできるとは限りません。
私たち火葬場職員は、小さな命を大切にお預かりし、できる限りお骨をお返しできるよう最善を尽くしています。
どうか安心して、大切なお子さまを託していただければと思います。
現役火葬場職員として伝えたいこと
火葬場の仕事は、ただ火葬炉を操作して骨を収めることだけではありません。
ご家族の悲しみに寄り添い、故人さまとの最後の時間を支えることも、私たちの大切な役割です。
流産や死産という現実は、とても辛く、受け入れるまでに時間がかかることもあるでしょう。
その最後のお見送りだけは、「丁寧に送ることができた」と思っていただけるよう、私たちは今日も現場に立っています。
小さな命をお預かりする責任。
その責任の重さを忘れることなく、1件1件真心を込めてお見送りのお手伝いをしていきたいと思っています。
おわりに
胎児や赤ちゃんの火葬は、多くの方が経験することではありません。
だからこそ、不安や疑問を抱えたまま火葬場へ来られるご家族もいらっしゃいます。
この記事が少しでも安心につながり、「火葬場では大切に送り出してくれる人がいる」と感じていただけたなら、現役火葬場職員としてこれほど嬉しいことはありません。
小さな命にも、大きな人生があります。
私たちは、その最後のお見送りに最大限の敬意を持って向き合い続けます。

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