現役火葬場職員の火葬ディレクターが、なかなか知られていない物事を世間に広く教えお知らせします。
現在は新型コロナウイルス感染症の予防のために世界中でマスクをすることが多くなっています。
思い返して頂くと火葬場職員はマスクを昔からしていたのではないでしょうか。
マスクをするのにはもちろん事情があります。
主の下記の2点からになります。
火葬場の仕事は大量の粉塵が舞います
火葬後の清掃や収骨時における粉塵の問題は、健康への影響が懸念されるものです。ダイオキシン、六価クロム、ベンゾピレンなどの有害物質が含まれる粉塵は、吸入することで気管支喘息や肺気腫などの重大な疾患を引き起こす可能性があります。
火葬場で働く職員や、火葬や収骨を行う遺族は、以下のような対策を取ることで健康リスクを軽減できます。
- 適切な防護具の使用:マスクや手袋、保護眼鏡などを着用し、有害物質の吸入や接触を避けることが重要です。特にマスクは、粉塵が侵入しないタイプのものを選ぶことが望ましいです。
- 適切な換気:火葬場や収骨時の作業場所は、適切な換気が行われていることが重要です。空気中の有害物質を効果的に除去し、新鮮な空気を供給することで、健康リスクを低減できます。
- 清掃時の注意:火葬後の清掃では、できるだけ粉塵を舞い上げない方法で作業を行うことが望ましいです。また、清掃後には手洗いやうがいを徹底することで、有害物質の摂取を防ぎます。
- 定期的な健康診断:火葬場で働く職員は、定期的に健康診断を受け、早期に症状が現れた場合には適切な治療を受けることが重要です。
これらの対策を実践することで、火葬後の清掃や収骨時における健康リスクを軽減できるでしょう。また、火葬場の運営者や行政機関は、適切な環境対策や安全基準の整備に努めています。
現在では副次的な意見ですが火葬場職員の身元が分からないようにするという側面があります。
これに似た習慣として、深く帽子をかぶる地域もあります。 火葬の仕事は昔、「隠坊」、「御坊」、「煙亡」、「薗坊」とも表記され、地域によっては「オンボ」と呼ばれることもあります。もともとは、下級僧侶の役目であり、「御坊」が転じたものとされています。
江戸時代には賤民身分とされていたことや、一昔前までこの職業の大半が被差別部落出身者だったため、軽蔑的な意味合いが含まれることも多く、現在は差別用語とされて使用されません。隠亡は、中世から江戸時代まで、穢多や非人とは異なる賤民階級として扱われ、寺院や神社で周辺部の清掃や墓地の管理、特に遺体の処理などを行う下男とされていました。
現在では、そのような言葉はほとんど使われず、「斎場職員」または「火夫」(かふ)が一般的に使用されています。面接時に家族や親族に迷惑をかけないよう配慮するため、火葬場職員という特殊な職種であることを家族が理解しているか確認されることがあります。
火葬場職員の意識の変化
現代では、20代から30代の若い職員も「弔う」という意識を持ち、この職種に就く目的意識を持って入職しています。そのため、上記のような差別意識は減ってきており、実際の業務を行っていると、差別的な反応より好意的な対応を葬儀家から受けることが多いです。ただし、火葬場職員も創意工夫が求められることがあります。
私の経験では、ほぼ説明もなく、無言でほうきとちりとりで祖父の骨がバラバラにされ、次の葬儀家が来るからと急かされて退出させられたことがあります。今、火葬ディレクターとして振り返っても、1日に20件もの葬儀を受け入れるのは本当に忙しいことは理解できますが、史上最悪の火葬場での大変だったと記憶しています。
これからの火葬場職員は、将来を見据えて日々の研鑽を積むことが大切です。それによって、葬儀家とより良い環境を築くことができると思います。火葬場職員の仕事に対する意識やスキルの向上に努めることで、遺族に対する配慮が増し、火葬場業界全体のイメージも向上するでしょう。
火葬場職員は、遺族の心情に寄り添いながら、適切な対応やサービスを提供することが求められます。遺族が最後の別れを安心して送れるよう、火葬場職員の役割やスキルを向上させ、業界全体のイメージ改善に努めることが大切です。
Wikipedia,「隠亡」よりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%A0%E4%BA%A1#:~:text=%E9%9A%A0%E4%BA%A1%EF%BC%88%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%BC%E3%81%86%EF%BC%89%E3%81%AF,%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82(参照2023-02-20)
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